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ファシリティマネジメント(FM)とは、アメリカで生まれた新しい経営管理方式です。
公益社団法人 日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)においては、FMを
「企業・団体等が組織活動のために施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動」
と定義しており、単に手法という範疇から、より広くFMを経営的視点に立った総合的な活動として捉えています。
これは現時点での日本を代表するFMの定義といえます。
【補足説明】
1. 業務用不動産(土地、建物、構築物、設備等)すべてを経営にとって最適な状態(コスト最小、効果最大)で保有し、賃借し、使用し、運営し、維持するための総合的な経営管理活動です。
2. 伝統的な施設管理(管財、営繕)との違いは、次のような諸点です。
(1) 維持、保全のみでなく「より良いあり方」を追求します。
「より良いあり方」には、既存のものだけではなく、新しく利用し活用するファシリティも
対象となります。
(2) FMの活動の方法として、情報技術をはじめFM固有および支援の技術・手法を活用します。
(3)FMは、下記の3つの面から現実的に対応できる総合的な経営管理活動です。
① 経営にとって全ファシリティの全体最適のあり方を追求する経営戦略的な面
② 個々の設備の最適な状態への改善など管理的な面
③ 日常の清掃、保全、修繕等への計画的・科学的な方法の採用など日常業務的な面
以上の3つの活動は、事業体の置かれた状況に対応して実務的に身近なところから取り掛かかることができる活動です(図表01参照)。
4.FMは、前項の事業体における現状の実務にあわせた活動とともに、「FM標準業務サイクル」を設定し、FMの体系的な導入と推進を統一的に図る活動を進めています。
すなわち、経営戦略に基づいたFMの戦略、中長期実行計画、プロジェクト管理、運営維持、評価という業務のサイクルをまわしてFMを展開することと、このサイクルを展開させるための仕掛けおよび仕組みづくりとしての統括マネジメントの業務を推進することです。
(図表02参照)
1.FMは、オフィスはもとより病院、学校、官公庁、工場、店舗、物流施設その他あらゆる業務用施設とその環境を対象としています。
2.FMの活用によって期待される効果は、大きく分けて次のようなものがあります。
(1)不要な施設、不足な施設、不適当な施設の使われ方の施設が明らかになり、経営にとって最適な
ファシリティのあり方が示されます。
(2)ファシリティの改革によって、経営の効率が最高度に向上します。
(3)同時に、施設関連費用(施設投資・施設資産・ファシリティコスト)を最小に抑えることができます。
(4)顧客、従業員その他のファシリティ利用者にとって快適・魅力的な施設を実現します。
(5)省エネルギーを実現し、コスト低減とともに環境問題にとって効果的な解決手段となります